スラブのホールド替えから早くも2週間が経過。
いい感じ(?)にホールドも育ってきています。
さて、今回はスラブ壁に新たに登場した巨大ハリボテの攻略方法について少し解説したいと思います。
今までCRAGにはない巨大なウッドボリューム。顕著に足を乗せる部分はなく、ザラザラなサーフェスにシューズのソールを擦り付けるような乗せ方が有効的なホールドです。故にいつ滑りだすか分からず、信用出来ないと体重を乗せることを躊躇ってしまう方を多く見ます。
スラブ面についているこのホールドは一体何度になるのか、分度器(iPhone)を使って測定すると…
55度!!つまり壁の一部ですが55度のスラブを登っているのと同義。こんなに傾斜が無いのになんで怖いのでしょうか…
理由の1つにこのウッドボリュームに対して乗せている位置が悪いということがあるかもしれません。
今回のウッドボリュームに限らず、フットホールドはできる限り壁から離れたところに置いた方が、壁の傾斜を殺すことができ、負担を減らすことができます。※ただしデュアル加工が施されていて外側の部分にツルツル加工がきていたり、壁際だけ傾斜が緩やかになっているシェイプだったり、壁側に顕著な凹凸(ホールドがついているなど)がある場合もあるのでホールドをよく見極めることも大切です。
また体と壁が離れていることで、膝の向きを変えて方向転換や、足を交差してのクロスステップなど、動作の自由度が増します。
「壁から離れたところに乗せる」というのは他の傾斜でも言えることなので、この機会に頭の片隅にでも入れておいて損はないかと思います。
そして話を戻し今回のウッドボリュームの攻略ですが、その他に必要なスキルは…
「オレナイココロ」
と、精神論を出してしまいましたがとっても重要です。滑り出すのが怖いですよね。分かります。でもまずは踏み出す勇気です!!(ドヤァ)
摩擦力は滑りに対する反力ですので、擦り付ける荷重が重いほど摩擦力も高くなります。平地のように角度(θ)ゼロでは体重(W)がかかるものの、滑り落ちる要素がないため、その反力として摩擦力もゼロです。斜面の角度がきつくなるにつれて、すべり落ちようとするする力(傾斜に分力された体重W sinθ)がかかるため反力としての摩擦力が上ってきます。この時の摩擦力は静止摩擦力といい、滑り出す直前が最大静止摩擦力(μ)となります。そして物体が動き出すと動摩擦力になります。動摩擦力は最大静止摩擦力より、小さく一定ですのでクライミングシューズは一旦滑り出すと止まりません。(スポーツクライミング教本 著:東秀磯より抜粋)
何が言いたいかというと、体重を乗せないとグリップしないよ、という話。ビビってハンドホールドに頼ってしまい少しししか足に体重が乗っていない状況になっていませんか?ウッドボリュームに乗っている反対側の足に体重が乗っていてなかなか離せない、という状況になっていませんか?
さぁ、肩の力を抜いて自分の足裏感覚と、
クライミングシューズを信じて踏み出してみよう!
シューズが信じられないのならば、お客様に合わせたシューズをご提案いたします。ご相談はCRAGスタッフまで(笑)